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会計

1. 会計制度

会計制度に関する規定は主に会社法(Cap 32)の121条以下で定められています。
  1. 会社は下記を記録した帳簿を作成しなければならない。(121条)
    • 会社が受け取った(あるいは、支払った)金額の全て、また発生した収支に関連する事柄の全て
    • 会社によってなされた商品の売買の全て
    • 会社の資産ならびに負債
  2. 帳簿は当該会計年度の終了日から7年間保管しなければならない。(121条)
  3. 会社の取締役は年次株主総会の場で、当該期間(初回株主総会の場合は設立日から直近決算日まで、それ以外の場合は前会計年度)の損益計算書(非営利団体の場合は収支報告書)を提示しなければならない。(122条)
  4. 総会において提出される財務諸表の決算日は総会実施日の6ヶ月(私的会社や有限責任保証会社の場合は9ヶ月)以上前であってはならない。(122条)
  5. 取締役は毎年の年次株主総会において、上記損益計算書(収支報告書)の対象期間最終日時点の貸借対照表を提示しなければならない。(122条)
  6. 会計年度の終了時に会社が子会社を有する場合には、株主総会において当会社自身の貸借対照表や損益計算書と併せて、会社およびその子会社の財務状況および損益を記したグループ計算書類が提示されなければならない。(124条)
  7. グループ計算書類は下記を含む連結財務諸表としなければならない。(125条)
    • 当会社およびその子会社の事業の状況を反映した連結貸借対照表
    • 当会社およびその子会社の収益または欠損を反映した連結損益計算書
  8. 貸借対照表はその会社の取締役会によって承認され、取締役会を代表してそのうちの2名によって署名されなければならない。なお、私企業で、取締役を1名しか有しない場合は、その1名の署名によって足りるものとする。(129B条)
  9. 株主総会に提示される貸借対照表には、損益計算書やグループ計算書類が添付されなければならない。また、監査報告書も同様である。(129C条)
  10. 株主総会に提示される貸借対照表には当該会計年度の損益や会計年度末時点の財務状況に関する取締役会報告書を添付しなければならない。(129D条)
  11. 会社は年次株主総会において監査人を任命しなければならず、監査人は総会終了時から翌年の株主総会終了時までその任を務めるものとする。(131条)

2. 財務諸表

香港法人が作成すべき財務諸表に関する規定は主に会社法(Cap 32)の付表10に定められています。
  1. 貸借対照表には授権資本金、発行済株式資本・負債・資産等の要約と併せて、資産と負債の一般的な性質を開示するとともに、下記の事項を明記する必要がある。
    • 発行済み資本が償還可能株式から構成される場合、その株式。また、その最短・最長償還日。
    • 当該会計年度中に配当の支払いが生じた株式資本やその配当率
    • 払込剰余金の金額
    • 会社が再発行権限を有する償還債の詳細
  2. 下記の項目については、貸借対照表において独立して明記する必要がある。
    • 開業費
    • 株式・社債の発行費用
    • 株式・社債の発行に関わる手数料
    • 社債の割引価格
    • 割引株式された株式の割引価格
    1. 剰余金、準備金、負債および資産は会社の業務に適した科目に分類されなければならない。ただし、
      • 金額に重要性がない場合は、いくつかの科目を集約してもかまわない。
      • ある資産の項目が他の資産の項目と不可分の場合、それらを一つの科目に集約することができる。
    2. 固定資産、流動資産、およびそのいずれでもない資産はそれぞれ識別されなければならない。

3. 会計基準等

香港法人が準拠すべき会計基準としては、「香港財務報告基準(HKFRS)」が存在します。これはIASB(国際会計基準審議会)が定める「国際財務報告基準(IFRS)」を香港向けにローカライズしたもので、基本的にIFRSと同等とみなされます。

また、2010年には下記の条件を満たした事業体向けの会計基準として、「HKFRS for Private Entities(私企業向け香港財務報告基準)」が公表されました。

  • 公的な説明責任(public accountability)を有していない
  • 外部の利用者(経営に参画していない株主、債権者、格付け会社等)のために、汎用的な財務諸表を公表している
また、ここでの「公的な説明責任を有している」ことの具体的な定義として、
  • 社債や株式が公開市場で取引されておらず、またそれらを公開市場に上場する手続きが現在進行中でない(ここでいう公開市場は香港の内外を問いません。また店頭取引市場や地方市場も含まれます)。
あるいは、
  • 主要な事業目的の一つとして広く外部から資産を募り、受託者の資格でそれらを保有している(具体的には銀行、信用組合、保険会社、証券会社、投資銀行等が該当します)。

という2点が挙げられています。

フルGAAPとSME GAAPの関係

2014年3月4日に施行された新会社条例の下では、SME-FRF & FRSの適用対象が広がりました。

分類 要件 株主の承認
1. 子会社を持たず、他の会社の子会社でもない私企業

(旧会社条例(第32章)の141D節の要件を満たす私企業)
不適用

全ての株主による承認が毎年度必要

 

(ただし、私企業が下記の分類2にも該当する場合、株主からの承認は不要)

2. 小規模私企業

以下の条件のうち2つ以上を満たす私企業


(a) 年間の総収入が1億HKドル以下

(b) 報告期間末日時点の総資産が1億HKドル以下

(c) 従業員が100人以下

新会社条例(第622章)の下で、株主からの承認は不要
3.

小規模私企業グループ

(a) グループ各社が小規模私企業の要件を満たし、かつ

(b) グループ全体の収入・資産・従業員数が小規模私企業の3つの規模要件のうち2つ以上を満たすこと

 

新会社条例(第622章)の下で、株主からの承認は不要
4. 小規模有限責任保証会社 年間の総収入が2500万HKドル以下  新会社条例(第622章)の下で、株主からの承認は不要
5. 小規模有限責任保証会社グループ

(a) グループ各社が小規模有限責任保証会社の要件を満たし、かつ

(b) グループ全体の年間総収入が2500万HKドル以下

新会社条例(第622章)の下で、株主からの承認は不要
6. より規模の大きい適格私企業

以下の条件のうち2つ以上を満たす私企業


(a) 年間の総収入が2億HKドル以下

(b) 報告期間末日時点の総資産が2億HKドル以下

(c) 従業員が100人以下

株主総会で会社が当該年度にSME-FRF/FRSを採用する旨の決議が全株主の75%以上の賛成により通過し、同時に総会や書面でそれに反対の意思を表明する者がいないこと

7. 適格私企業グループ

(a) グループ各社が小規模私企業もしくは適格私企業の規模要件を満たし、かつ

(b) グループ全体の収入・資産・従業員数が適格私企業の3つの規模要件のうち2つ以上を満たすこと

グループ各社が個別に株主から必要な承認を受けること(ただし、グループ内の子会社が小規模私企業の分類に該当する場合は除く)