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香港におけるオフィスの立地

1. 概要

香港は香港島、九龍半島、新界・離島地域の3つの地域に大きく分類されますが、日系企業のオフィスが置かれる場所はその中でも香港島北部と九龍半島南部に集中しており、代表的なエリアとしては下記の通りとなります。

  1. 香港島
    • セントラル(Central)
    • 上環(Sheung Wan)
    • 湾仔(Wan Chai)・銅鑼湾(Causeway Bay)
    • 金鐘(Admiralty)
    • 北角(North Point)・鰂魚涌(Quarry Bay)
  2. 九龍半島
    • 尖沙咀(Tsim Sha Tsui)・尖東(Tsim Tong)
    • 九龍湾(Kowloon Bay)・観塘(Kwun Tong)
  3. 新界
    • 沙田(Sha Tin)・火炭(Fo Tan)
    • 上水(Sheung Shui)
オフィスの立地を決める際に、考慮される要素は主に次のようなものとなります。
  • 賃料
  • 交通の便
  • 地域イメージ・ブランド
  • 取引先等の集積度
このうち、香港でのオフィス立地決定にあたって、最も影響の大きい要因は賃料です。他の要因がどちらかと言えば、インセンティブ(ある候補物件に対し、その物件の選択を促進する要因)として働くのに対して、賃料はディスインセンティブ(ある候補物件に対し、その物件の選択を忌避する要因)として働く傾向があります。

2. 主な立地場所

在香港日系企業のオフィスは、特に香港島北部(中環・金鐘エリア、湾仔・銅鑼湾エリア)と九龍半島南部(尖沙咀・尖東エリア)に集中しています。
在香港日系企業のエリア別分布

2-1. 上環

香港島北部の繁華街の西端に位置する昔からのビジネス街です。現在では、マカオとの間のフェリーが発着する香港島側の拠点ともなっています。従来はセントラルに近接するという立地の良さの割に賃料がリーズナブルな地区とされてきましたが、セントラルの賃料高騰のあおりを受けて、上環地区のオフィス賃料も以前と比べて相当に上昇しました。香港の中枢であるセントラル地区に容易にアクセスできる点が利点です。

2-2. セントラル

文字通り香港の中心であり、世界的な銀行・証券会社・保険会社等が集結し、アジアを代表する金融街を形成しています。香港国際空港との間はエアポートエクスプレス(機場快速)で約20分で結ばれ、九龍半島最大の繁華街である尖沙咀との間は地下鉄またはスターフェリーで移動できる他、縦横に張り巡らされた地下鉄・バス等の交通機関を通じて、香港内のどの地区にアクセスするのも便利です。ただ、このような立地上の好条件に比例して、そのオフィス賃料が世界トップクラスであることでも有名で、最近では高騰しすぎた賃料を敬遠して、上環や湾仔などの近隣地区あるいはビクトリア湾をはさんで対岸にある尖沙咀などにオフィスを移す企業も増えています。

2-3. 湾仔・銅鑼湾

湾仔には税務局や入国管理局等の政府機関が集中しており、香港のどこに住んでいても年に何度かは必ず足を運ぶことになるエリアで、これら政府機関と仕事上のつながりの深い会計事務所やコンサルティング会社等が多くオフィスを構えています。また、国際展覧会が年間を通じて開催されるコンベンションセンターがあることでも知られています。

銅鑼湾地区は香港島最大の繁華街であり、香港における流行の発信地でもあることから、ファッション関係を中心とした小売業や飲食業などのオフィスが目立ちます。

2-4. 金鐘

金鐘はセントラルと湾仔にはさまれた地区で、セントラルと同様に、金融機関やコンサルティングファーム、ビジネスセンターなどが数多くオフィスを置いています。

2-5. 北角・鰂魚涌

香港島の東部を指す港東地区の中では、北角や鰂魚涌にビジネス街が形成されています。これらは日本人が多く住む太古エリアに近くて職住近接の好環境が得られることから、多くの日系企業がオフィスを構えています。

2-6. 尖沙咀・尖東

尖沙咀は九龍半島南端にある昔からの繁華街ですが、近年はビジネス街としての色彩も濃くなりつつあります。賃料の高騰を受けて、一流企業がセントラルから尖沙咀地区にオフィスを移転する動きも最近目立ってきています。
尖東は尖沙咀の東隣に位置し、伝統的に日系企業の集積が目立つエリアです。中国国境の羅湖まで一本の線路(KCR)で結ばれ、中国出張にも便利なロケーションにあります。

2-7. 九龍湾・観塘

九龍湾地区は現在、香港で最もホットなエリアの一つと言われ、開発が目覚ましい地域です。新しいビルが次々と建設され、オフィスの供給量が急増していることから、賃料的にも狙い目のエリアだと言えます。
観塘は中小の会社が数多く軒を連ねるエリアですが、賃料が低めであることもあり、昔からここにオフィスを構える日系企業も数多く存在しています。

2-8. 沙田・火炭

沙田は新界最大の街であり、多くの商業施設が集積して日本人にとっても住みやすい環境です。また、KCR東鉄線の沿線にあることから、中国との間を行き来する上でも非常に便利な立地です。

火炭は香港では数少ない工業地帯であり、それに近接してオフィスを構えるケースが多くなっています。

2-9. 上水

上水は深センとの羅湖ボーダーに最も近い街で、本土の人たちが買い出しに訪れる場所として有名です。深センや東莞に製造拠点を持つ企業の香港事務所の立地場所として多く利用されています。